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鈴木 郁 教授 : 人間工学は創生科学科的各種手法の活用の場 #3

私の専門である人間工学に関連した、当研究室での研究例について述べる前に、自己紹介を兼ねて経歴等について述べさせて頂きたいと思います。次に、近年の研究や教育の一部を紹介させて頂きます。

近年の研究や教育(一部)

【物理学と数学の理解にも役立つ実験教育の例 ― 放射線計測 ―】
原子力発電所の是非はさておいて、2011年3月に起きた福島第一原発の事故以降、多くの人が放射線に関心を持つようになりました。私もその一人で、市販のガイガーカウンタ組み立てキットを購入し、改造(改良)の上で組み立てました。大した性能の物ではありませんが、例えば2011年5月には、都内のいわゆるホットスポットでは確かに空間線量が高いこと、また6月には、自宅の庭の草刈り後に屋内の空間線量まで上昇すること、などを知ることができました。

ガイガーカウンタ

組み立てたガイガーカウンタの使用例 ― 都内某所,2011年5月 ―

放射線の検出時間

放射線の検出時間間隔の分布 ― 横軸は時間間隔(秒),縦軸は相対頻度

放射線は、数学の世界でポアソン到着と呼ばれる、単位時間当たりの到着数、各々が到着する時間の間隔共にランダムな、到着をするとされています。ちなみにポアソン分布は、銀行のATMの待ち行列シミュレーションや、コンピュータ・ネットワーク・トラフィックのシミュレーションにも用いられる分布です。大学の屋内では既に、(幸いなことですが福島第一から放出された)137Csや134Csが発する放射線は検出が難しい程に僅かとなっていますので、手軽な放射線源として(極微量のウランを含有する)市販のウランガラスのおはじきを対象に、ガイガーカウンタが放射線を検出する時間間隔を分析したところ、統計学において指数分布と呼ばれる分布に従っていることが確認できました。このことは、単位時間にある回数検出される確率が、ポアソン分布に従っているということを示しています。これに類似した内容を、市販の装置を用いて学生実験として実施する方向で検討しています。 さらに、関東の山間地で採取した土などを対象とした、エネルギースペクトル分析なども体験させられないかと、考えています。なお、これらに使用する物が有する放射能は極めて小さく、また点線源と見なせることから距離の2乗に反比例して線量は低下し、危険性は全くありません。

鈴木 郁