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私から見た法政大学理工学部創生科学科 #2

私が創生科学科を志望したのは、一つの分野に束縛されず、様々なことを勉強できると思ったからです。もともと数学や情報の分野に興味がありましたが、まだ深く学んでもいない学問に進路を限定してしまうことには不安がありました。考えてみると、高校までに学ぶ知識はとても浅く、それにも関わらず進路を確定することで、自分の学習範囲を狭めてしまうのはとても惜しいことです。

例えば私は高校で物理を選択しませんでしたが、科学において、現象の仕組みを理解しようとする物理はとても重要です。私は物理のほんの一端を学び、その領域の広さ、自然法則を数式で表現できることに感心すると同時に、物理を解くための手段として用いられる数学との関連性に驚きました。物理を学ぶことは、より数学の役割を理解することにつながっていたのです。物理を学んでこなかった私は、それすら知りませんでした。

現在は、知能フィールドを重点に置いた上で、複数のフィールドにまたがって授業を選択しています。意欲さえあれば幅広い領域に触れることができ、とても充実しています。また、どのフィールドにもつながる部分があり、それを発見する度に、科学の奥深さに感銘を受けています。

多岐にわたって学ぶことは、一見中途半端にも思えますが、創生科学科には「数学と物理学を基盤として科学のみちすじを学び、それぞれのフィールドで実践していく」という明確な方向性が示されています。つまり自分の専門を持ちながらも、習得した知識や考え方、問題解決スキルは、他の分野で応用が利くということです。このように、専門性と広汎性を兼ね備えた創生科学は、無限の可能性を持っていると思います。科学技術の著しい発達により、社会はより一層複雑になっています。その中で分業体制をとる日本の組織構造には限界があり、これからは領域の枠にとらわれない、柔軟な人材が必要となってきます。私はその突破口としての創生科学科の在り方に期待しています。

まだ基礎を学んでいる段階で、自分の将来についても手探りの状態ですが、一期生の一員として、創生科学科を一緒に創り上げていければよいと考えています。

法政大学理工学部創生科学科2年 佐藤菜々子