山本 晃輔 准教授

山本 晃輔 准教授

【専攻】
認知心理学,応用心理学

【研究テーマ】
嗅覚刺激による記憶想起における認知メカニズムの解明およびその応用化,ビデオ・ゲームに関する心理学研究など

【詳細】
応用認知心理学研究室

心理学は,人々が生きやすく,また,快適な暮らしを送るために,人間の思考や行動のメカニズムを解明する学問です。実際に,これまで蓄積されてきた知見は,社会のなかで実装され,十分に役に立っているといえます。たとえば,身近な例として,郵便番号や電話番号はなぜ3桁や4桁で一度区切られているのでしょうか(〇〇◯―☓☓☓☓)。これは,マジカルナンバー7と呼ばれ,人間が一度に覚えておくことができる量が7桁以下であることと関係しています。このような人間の一時的な記憶の処理容量の限界は,従来の認知心理学的研究から見出されてきたものです。
私自身は現在匂い・香りによって思い出される過去の記憶について研究を行っています。最近では,高齢者を対象に研究を行い,匂い・香りによって過去の出来事を思い出すことが,主観的な幸福感を高めるという結果を発表しました。2030年には約3人に1人が高齢者になると言われる超高齢社会のなか,高齢者のウェルビーイングを促進させる新しいプログラムの開発は,重要な社会的課題でもあります。今後,このような研究をさらに進めることで,医療や福祉場面での応用的な展開が期待されています。

  • 社会的活動:日本心理学会大会準備委員,日本認知心理学会編集委員,日本パーソナリティ心理学会編集委員,におい・かおり環境協会大会委員,関西心理学会事務局幹事

  • 最近の論文:
    Yamamoto, K. & Sugiyama, H. (2023) Influences of age-related positivity effect on characteristics of odor-evoked autobiographical memories in older Japanese adults. Frontiers in Psychology, 13:1027519. doi: 10.3389/fpsyg.2022.1027519.

    Yamamoto, K., Yokomitsu, K. & Kobayashi, T. (2022) Development of the function of autobiographical memories evoked by odor scale for older Japanese people. Frontiers in Psychology, 13:945002. doi: 10.3389/fpsyg.2022.945002

  • 主な担当授業:行動科学計測,パーソナリティ,こころの働き,教育心理学,PBL,創生科学実験Ⅱ,など