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七夕講演会が開かれました
まばゆい太陽の光が照り付けるこの時期、天文や宇宙について興味を持ってもらうために日本各地で七夕講演会が開かれています。そうしたなかで8月7日(日)に、法政大学小金井キャンパスでも七夕講演会が行われました。
まずは、東京大学大学院理学系研究科准教授・国立天文台併任准教授の安東正樹先生に「重力波とブラックホール、そして宇宙」というタイトルの下、最近ホットな話題の「重力波」に関するお話をしていただきました。重力波とはそもそもどういうものなのか、またそれはどのように生じるのか等々を、皆が知っているような言葉(時空の事をトランポリンとし、物体の事をボーリングの玉とする)で例えて、また動画を用いて分かりやすく説明をしていただきました。
つづいて、国立天文台教授の小林行泰先生に「宇宙の大きさを測る」というタイトルの下、位置天文学という分野を中心にお話をしていただきました。小林先生の講演は「私は今年の2月の重力波初検出の発表前日まで、重力波なんか存在しないと信じ続けていました。でも重力波の検出データをいざ見てみると、重力波の波形ってとても美しいんですね」と会場の雰囲気を和ませる言葉から始まりました。また、宇宙にある星をどのように見て、そして位置を定めているのか。そうした基本的な事でありながら、とても重要な部分に焦点をあてて講演をしていただきました。
そして最後に恒例の質問コーナーがありました。参加者全体が、熱心に聴講していたように思います。質問の回答には、上記の講演者に加えて東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターの土居守先生にも参加していただきました。安東先生がご専門の重力波に関する質問では,「今年検出された重力波は2つの連星系空だったのですが3つの連星系からでも重力波は生じるのですか」とか、「重力波が伝搬する速さって本当に光速なのですか」などがありました。また小林先生や土居先生には「ダークマターとダークエネルギーってE=mc^2という式からすると関係があるのではないでしょうか」とか、「宇宙に始まりがあるとすると終わりもあるのはないでしょうか」といった極めて高度な質問が飛び交っていました。
今回、講演会の始まる前には中庭にて、創生科学科にある天体望遠鏡を用いた太陽観察会も行われました。望遠鏡を用いて黒点を見てもらい、黒点を観測することの意味や太陽についての豆知識(太陽は赤道付近と極付近で自転速度が異なる事等)について、観測を交えながら説明させていただきました。
(上記の文章の大部分は、創生科学科4年生の秋山優太君によるものです。記して御礼申し上げます。)
写真は、上から順に以下のものとなっています。
1.講演会の前に行われた、太陽観察会の様子。
2.投影された、太陽の黒点(水色の囲みの中)。
3.講演会の前に行われた、惑星や恒星についての紹介の様子。
4.恒例の七夕飾りと、短冊をつける参加者の方。
5.講演中の安東先生。
6.安東先生の講演に登場した、KAGRAについてのスライド。
7.講演中の小林先生。
8.小林先生の講演に登場した、月との距離の簡便な測定法についてのスライド。